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行ってきました!
ブンタの故郷インドネシア

H13年2月(その1)



ジャカルタから飛行機で1時間半、スマトラ半島を北上したところにペカンバル
という町があります。
ここからさらに車でパパイヤ、バナナ、パームトゥリーと焼畑で焼かれた林を見
ながら山岳地帯を行くこと5時間。ドゥマイという小さな町があります。ここが今回
の訪問地でした。わずか2週間の滞在でしたが、出発前に「出来れば見たい」
と願っていた熱帯の野生の鳥さんも”なんとか”見ることも出来ました
ただ、白色オウムはロンボク島、フローレス島、セレベス島などが生息地域です
から残念ながらスマトラ半島では見られないようです。もっとも地元の人に言わせ
ると「いくらかいる」とのことですが実際はどうなんでしょう・・・わかりません。

ここの人たちが抱く鳥への想いですが、我々北に住む愛好者者が抱いている
ような、インコ、オウムに対する憧れは殆ど無いように感じました。
ごく一部の人を除いては殆ど興味もないようです。
ただ、一部の鳥愛好家がいるのは確かで、軒先にたくさんの鳥かごをぶら下げた
り、庭に小屋を作って3,4種類の鳥を同居させている光景を何箇所かで見かけ
ました。
私が訪ねた先でも庭には大きな小屋があり、軒先には5個の籠がぶら下がってい
ました。小屋の中にはすぐ近くのジャングルに居るという野生の鶏や、名前不明
の黄色い鳥など数羽が飛び回っていました。


上のほうの止まり木にコバタン(?)がいて、左端では野生の鶏が鳴いています


ただ、白色オウムや緑系のインコ類は、あまり一般的でないのか殆ど見かけませ
んでした。上の写真にあるように、このお宅で1羽、ショップで1羽見ただけです。
ショップのはイリヤンジャヤ(前のボルネオ)で捕らえられたものだそうで、足環は
ついていませんでした。現地では今でも、野生の白色オウムが保護されて売買さ
れているのでしょう。ただ、2軒回ったショップでこの1羽しか見かけませんでした。
値段は、800、000Rp(ルピア)、日本円にして約9千円くらいでしょうか・・・。
値段は交渉の余地があるそうですから、まあ7,8千円でしょう。
写真でも分かるように、可愛そうに止まり木かわりのプラスチック棒で小突き回
されて、すっかり怯えていました。
出来れば連れて帰りたかったですが、それは無理な相談です。

 すっかりおびえた様子
 


このショップには、他にも1mを超えるイグアナがいました。これはジャワ島から来
たそうですが、後で聞いたらブリードものだそうです。
値段は日本円で5千円でした。爬虫類は詳しくないので分かりませんが、愛好者
が見たら、「欲しいー!」 と叫ぶのでしょうか・・・・。

イグアナ君は、どうもブリードものらしい・・・




訪ねたショップは2軒とも、鳥かごの数がとにかく多いのに驚きました。
写真では写っていませんが、彫り物をしたような立派な竹製の籠や、年
代物に見える黒光りする籠なども沢山おいてありました。おそらくその数
300個くらいでしょうか。



鳥は地元の鳥と思われる比較的地味な小鳥が多く、華やかなインコ、オウム類は
殆どいません。
わずかにボタンインコとセキセイインコとビセイインコが居ただけでした。
ただ、九官鳥は沢山居ます。
雛で4千円、いくらか喋るような成鳥で7千円でした。
いずれの籠の中も、糞が山のように積み重なっており、全く掃除をしてもらって
いません。
一概に日本と外国を比較は出来ないですが、昨年お邪魔した関西の某ショップさ
んなどは、本当に鳥に優しい経営をされているなあと感心します。

撮影用にコバタン君(?)を店先に出してもらいました。
後方にはセキセイや九官鳥,地元の鳥などがワンサカといました。
(籠の掃除は・・・・殆どやってもらっていないようです・・・)



ここデュマイへは仕事で来たのですが、おりしも今この国ではジャカルタをはじ
めカリマンタン島などでデモや暴動が散発しており外出もままならぬ状況でした。
行く前に密かに抱いていた「熱帯の野生の鳥を見る」ことなど当然無理だなと
諦めていました。
ところが、雑談で私が鳥が好きなのを話すと一人が「私の家の近くのモンキーや
バードがたくさんいるジャングルに連れていってあげる」と言われ喜んでお願い
することにしました。
休日の朝、彼の車で到着したのは、ジャングルの一角を切り開いて作った専用居
住地でした(といってもとてつもなく広い)。
ちなみに彼は、国営石油会社のエンジニアです。
居住地の周りは今でもバリバリのジャングルですから、周囲を金網がぐるりと取り囲
んで猛獣や毒蛇の進入を防いでいます。
車を降りるや否や、動物の泣き声がジャングルから聞こえてきました。
モンキーや鳥の声だそうです。
すぐ沢山のモンキーが木々の間を移動したり、高い木から下の梢にジャンプする姿
が目に入ってきました。
よくTVでアマゾンやニューギニアの熱帯雨林を紹介していますが、あの動物や
鳥が泣き叫んでいるジャングルと同じです。少なくても目をつむり彼らの声だけ聞い
ていたら、あの熱帯雨林のど真ん中そのままで、居住地のすぐ隣とは思えません。
そうしていたら、突然彼が「Look! Big Bird!」と叫びました。
彼が指差すほうを見ると、確かに住宅地側からこちらのジャングル方向に向かって
飛んでくる大きな鳥がいます。カラスより一周りか二周り大きかったように思います。
頭上10mくらいを飛んでいきました。一瞬、あの大きな黄色い嘴と黒い体は間違い
なく”オオハシか!”と思いましたが、オオハシは南米に住むはず・・!? 
大急ぎで持参した3倍ズームデジカメを構えましたが遅すぎました・・・残念!
いったいあの大きな嘴の鳥は、なんだったんでしょう!?

気を取り直して周囲を金網に沿って車で移動すると金網の向こう側では、いたる
ところでモンキーが騒いでいました。
所々で車を降りると、けたたましい叫び声が聞こえてきます。梢ではあちこちに
モンキーが見え隠れしています。
よく中央の2本の大きな枯れ木に”Big Bird”がとまっているらしい


上の写真にある高さ40mはあろうかと言う大きな枯れ木には、「朝夕にあの大きな
鳥(オオハシみたいの)が何羽かとまっている」のだそうで、暫く粘ってみましたが、
既に午前の10時をまわっていたこの時は二度とその姿を見ることは出来ませんで
した。
結局、この日はこれ以上オウムやインコ、オオハシなどの珍しい鳥を見ることは出来
ませんでした。
ところが翌朝、出会った彼は「今朝、あの木に数羽とまっていたよ」と言っていました。
やはり、朝か夕方決まった時間にやってくるようです。

居住地の外を車で移動中に下の写真のような背中が水色で、長く大きな嘴が黄色の
鳥をカメラに収めることが出来ました。動きが速いのと、用心深いのとで、近づくとすぐ
飛んで逃げるのですが、電柱の支線にとまったところをなんとか写真に収めることがで
きました。
背景が明るい空で、その中に小さな鳥が一羽ですからフォーカスは甘く、露出も不足
気味になってしまいました。綺麗な青い体が写らず残念!
背中は鮮やかな水色、嘴はオレンジでした。
どなたか名前をご存知でしたら教えて下さい。



また、鳥の話ではありませんが怖い話も聞きました。
昨年、一人の中学生が行方不明になったそうです。警察も交えて必死に捜索して
いたところ、このジャングルの中で動けなくなっている大蛇を警察官が発見しました。
見ると、大蛇の腹の真ん中が大きく膨らんでいるので、腹を切り開いたところ、なんと!
中からは行方不明の中学生の身体が出てきたのだそうです。
この辺は、一歩ジャングルに入ると下に小川がいっぱいあってじめじめしており、大蛇
や毒蛇がウジャウジャいるのだそうです。
「完全武装して入ってみるか?」と言われましたがやめておきました。
この辺は、タイガーもいるそうですし、コブラは住宅地でもマンホールの下などに出没し
ます。
上はモンキー、オランウータン、タイガーや鳥、下は大蛇のジャングル


ワシントン条約で輸出入が禁止されているオウムですが、地元では少なからず野生のものが
捕獲、売買されているようです。
事実、「生体で連れて帰れないのなら卵で持ち帰って孵化させたらどうか?」というようなこと
も言われました。しかし、これは丁重にお断りしました。
イグアナがそうであったようにオウムも、もともと住んでいたこの地でブリードされれば、もっと
簡単に生体数を増やすことが出来るのではないか・・などと考えてしまうのは素人考えなので
しょうか・・・?

(番外編)
彼の家では、珍しい果物がいっぱい実っており、写真のようなものも食させていただきました。
「食べごろだ」と切り取ってくれました(名前は:Nanka ナンカ)

中の実を取り出すとこうなります↓



下は Cermei というらしい(少し渋い!)


H16年6月(その2)

今回は安全のために外出は全く出来ず、ホテルと仕事先とを車でドアツードアで移動しただけ!
残念ながら鳥さんには、お目にかかれませんでしたので果物中心に簡単に紹介します。

前回の訪問はスマトラ島の北のほうでしたが、今回はジャワ島のバロンガンという所でした。
高層ビルが立ち並ぶジャカルタから車で4時間半の所に、目指すCIREBON町(村?)がありました。
4時間半と言っても100kmくらいは高速道路、残りの一般道でもドライバーは時速80kmから100kmで
飛ばしまくり、日本では絶対に行わないような追越を連続して行うのでヒヤヒヤものです。
対向車も同じくらいのスピードで迫ってきてスレスレですれ違うのですから、万一の事故ではまず
無事では済みません・・・。
途中、道下の田圃に転がり落ちていた車もありました。
道端にはクシャクシャになった車が放置してあったりもします。

それにしても、ジャワ島は私の好きなトロピカルな雰囲気がいっぱいでした。
いたるところ(というより全ての所)にバナナやパパイヤ、マンゴー、ココヤシなどがあり実を付けて
いました。
道端はもちろん、全ての家の庭、空き地、田圃の畦道、畑・・・いたるところに植えられています。
特に驚いたのはマンゴーです。
マンゴーは潅木かと思っていたのですが、樹高は15mくらいになっているものも少なくなく、生茂って
いるという表現が適当でした。
その枝にぶら下がるように沢山の実がなっています。
ホテルの駐車場にも何本かマンゴーがあったので携帯のカメラで撮影してみました。
ただ、残念なことにこの木はあまり実を付けていませんでした。

               


下の写真はスーパーで買った果物です。
左上の果物はSIRSAKという名前らしいのですが初めて見ました。
ナイフで切ると中は白い果肉で、ミルキーな味でなかなか美味でした。
スターフルーツは、最近では日本のスーパーでも見かけることが多くなりましたが
結構な値段がしていたりします。
これは、かなり大きなものでしたが、現地の”高級スーパー価格” で約20円でした。

               



インドネシアにも”富士山?”がありました。


毎朝の移動中、朝市みたいな場所を何箇所か通るのですが、着るもの、道具、活きた魚類
加工品、オモチャ、そして籠に詰め込まれた小鳥(ベニすずめかな?)などを売る屋台や
テントだけの店がひしめき合いながら並んでいました。
出来たら車から降りて、ゆっくりと見歩きたかったのですが、これも安全上から叶いません
でした。
次回は、是非心行くまで散策してみたいものです。