直後の様子



最初の日:籠は以前オオホンセイインコを飼っていたオウム籠を整備しておきました。
家に戻って、籠にいれても活発には動いてくれないし、当然ですが何も喋ってもくれません。「意外と静かだな・・・」と感じたものです。
その日は、ヒマワリを少し齧った程度でオヤスミにしました。
予め勉強しておいたように、ここはそっとしておき、新しい環境に慣れてもらうのが一番です。

2日目  :毎朝6時30分起床でしたが、今日からは6時起床です。
籠の覆いを取って、まずは「おはよう」のご挨拶です。次は糞の状態をチェック! 水っぽくないか? 「良し!」。色は緑色でないか? 「ヨシ!」。尻の周りは汚れていないか? 「ヨシ!」。鼻水は? 「ヨシ!」。しっかりと教科書にかいてあることを守って点検は何事もなく終了です。あとは籠の掃除をして、餌と水を新鮮なのに換えてOK!・・・・・・・と思いきや、「・・・・??ん!」、何か腹のあたりが小刻みにプルプルと震えているではありませんか。
さらには、くしゃみのような、シャックリのようなものをひっきりなしにします。
この頃の朝の気温は20度を下回っていました。
気になりましたが「少し寒いのかな・・・」と暫くは様子を見ることに。
早く手に乗って欲しいと、ちょっとだけ籠の横から指を入れてみたりしましたが、ここはグッと我慢です。そっとしておきましょう。20分くらい籠の前で、その愛らしい姿を見つめて、後ろ髪を引かれる想いで出勤の支度です。

3日目   :今日も6時きっかり起床です。
ブンタの様子は・・・・糞も餌の食べかたも昨日と変わらず! 「ヨシ!」。でも、腹の周りの小刻みな震えはとまっていません。「・・・・・・・心配だ・・・」風邪かな? くしゃみも相変わらずです。
10年くらい前に、昨日まで元気だったオオホンセイインコが、朝見て「なんか変だな」と思っていたら、昼前には落鳥してしまったという苦い経験があるだけに心配でした。
ショップに電話して、これまでの様子などを聞いてみましたが、「全然そんなことはありませんでした」とのこと。結局、何も分からず一日が終わりました。



4日目   :今日は会社は代休です。25kmほど離れた獣医さんに連れて行き診てもらうことにしました。
車の助手席にオウム籠ごと乗せました。ブンタが怖がるかなと思いましたが、意外にもドライブを楽しんでいるようで、一生懸命外を眺めたり、籠の中で宙返りを繰り返して、すっかりご機嫌な様子です。
獣医さんの受付で「お名前は・・・?」と聞かれて、私が「ハイ、○○です」と元気よく自分の苗字を言いましたら、看護婦さんが顔をあげて「鳥さんのお名前は?」と・・・。そうか、ここでは鳥さんのお名前を名乗らないといけないんですね。
先生はまだ手に乗ってくれないブンタを見て、「これでは手の上では診れないな・・・」という表情で、腹のあたりを触ったり、糞を顕微鏡で見たりしてくれました。しかし、はっきりした病名は分かりません。神奈川から千葉に引っ越して花粉症になったとか、自動車の排ガスやタバコの煙が影響しているとかいろいろな可能性を話してくれました。「う~ん!・・・・・鳥にも花粉症というのがあるのか」と驚きました。可能性としては花粉症かななどと考えましたが、いくらなんでもまさかねえ・・・・・・そんな急に?
PBFDやオウム病の可能性もあるらしいですが、特にPBFDは「簡単には検査が出来ない」ので、とりあえず薬をもらって帰ることにしました。
車の中で「さて、どうやってこの液状の薬を飲ませるかな・・・」などと考えながら戻ってきました。

5日目   :さーて、朝夕2滴の薬をどうやってブンタの口の中に入れるか・・・・? 問題です。簡単にはいきません。
ブンタはペレットを食べるので、これに2,3滴垂らして濡れたペレットを餌入れに入れてみました。しかし、なかなか薬のついたペレットに手(足)を出してくれません。足で器用に掴んで食べるのは、ほとんどがヒマワリだけです。
嘴の横に薬を持っていき、ピュッとかけてかけてみたりもしました。しかし、どの方法もほとんどブンタの口の中まで達することはなかったようです。結局、3日目あたりで諦めてしまいました。当然のように風邪の症状は一向に改善されません。ただ、悪化もしていない様子なのが嬉しいです。

2週間後  :くしゃみらしきものは、いくぶん少なくなったようです。でも小刻みな震えは相変わらずです。朝から晩までではないものの、動くのをやめて止まり木でじっとしていたりすると、腹の前の毛がプルプルと震えています。
この辺から、「なんとか手に乗ってくれないかな」と朝夕、籠に手を入れてブンタの足の前に差し出すのですが、ブンタは目をジーット足元に移していって、いきなりガブッと噛みつきます。沢山の人が、「このような時は絶対に手を引っ込めてはいけない。噛ませなさい。そして痛くても、決して痛いような顔をしたり大声を出したりしないで、何事もなかったように振舞いなさい」と説かれています。
ただ実際問題として、あの頑丈な嘴で噛まれたら間違いなく血を見ます。どうしても反射的に手を引っ込めてしまいます。
噛まれまいと気をつけたのですが、何度か噛まれたあと、私は教科書や諸先輩方の教えにそむくことにしました。つまり、”噛ませる”でなく”噛まれないようにする”に切り替えたのです。ただ、噛まれないようにするということは、ブンタとの信頼関係を気づく上で最良の方法であろうスキンシップが出来なくなるということです。
ところで、この辺からは保温のために、ブンタの籠を居間に移して、夜も昼も24時間エアコンで24度くらいを保つことにしました。同時に、寝る前には濡れタオルを2枚くらい部屋にぶら下げて湿度を保つようにしました。この濡れタオルは利きます。湿度計を見ると、55%くらいまで下がっていたのが、いっきに60,65%と上昇します。

1ヵ月後   :季節は移り。気温もぐんぐんあがって時には暑いくらいです。
この辺になって、ようやく震えがとまったようで、早朝などを除いては震えることはなくなりました。くしゃみもいつの間にかとまっていました。
・・・・・やはり、花粉症・・・???? 来年また気をつけてみてみましょう。

数ヶ月後  :結局、震えとクシャミの風邪のような症状の原因は分かりませんでした。気温の上昇がよかったのか、花粉の季節が終わったのが良かったのかわかりませんが、7月現在、ほとんど気にならならなくなっています。当然ですが、エアコンを使った暖房もやめています。